2016, Installation

The National Sex Museum of Okutama

それは原始人からの警告か、はたまた石器時代のエロ本か。
一万年以上前から人が住み始めたといわれる秘境・奥多摩では、近年男性器や女性器を型どった謎の石像が出土している。古代人が抱いた子孫繁栄という願いは、やがては山岳信仰の儀式になり、エロスの探究に変貌し、露出系アダルトビデオの聖地となって、奇怪な彫刻群を作る芸術家たちを引き寄せた。奥多摩地方に散在していた性に関する裏歴史を調べ、収集し、国立奥多摩美術館の真下に18歳未満立ち入り禁止の「秘宝館」を作って奥多摩性愛コレクションを公開した。

「性」にまつわる表現が問題視されている現代の日本。一万年以上前から人類が住み始めた奥多摩。館内では、ダムの底から出土した女性器型の巨石、古代性神たちの物語、奥多摩に住む70歳老人が作り出した写経エロビデオ、奥多摩在住の奇才彫刻家が制作した高速回転する巨大男根像などを展示。開館前、奥多摩で崖から転落し全治三ヶ月の負傷を負うアクシデントが起こったが、母と妻が立ち上がり、河原から男根型の石100個を拾い集め、廃材を使って小屋を建て「手作り秘宝館」を完成させた。