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推薦コメント

“バカにしてんの?” はじめは、誰しもが、小鷹拓郎の映画に不信感を抱くかもしれない。あるいは誰かは怒るのかも。しかし私は、アートは運動になると信じていて、それらが持つ可能性は,人々に、巨大で多様で複雑な感情の渦を生み出すことにあると思う。あなたもこの映画を見て考えるといい。「この感情は正しいのだろうか?」

 

– 居原田遥 (キュレーター)

小鷹拓郎は、政治の変革に努力しても何も変わらないので人々が疲れたり飽きてしまった日本やタイの国中をうろうろする。そういった場所で、それでもなお変えようとしている人たちに優しく手を差し伸べる。その手を取った人たちと一緒に作品を作る。疲れた人に元気が戻るような、楽しい作品だ。もっといろいろな場所で作ったり見せたりしてほしい作品だ。

 

-清恵子(キュレーター、メディアアクティビスト)

とりあえず、気になるモノにはトコトン全身全霊を捧げる。そして臆する事なくその状況に飛び込んでみる。すると、スルッとすっかり、みんな心を許し彼の友達になっている。そんな人の心の中に潜り込む不思議な魅力を持つのが小鷹拓郎である。

 

– 佐塚真啓(国立奥多摩美術館 館長)

彼の作品のひとつ「Return of the Poet」は、社交的な男が伝統的霊媒師によって変貌を遂げる、超現実主義で幻想的な批評性を含んだ作品だ。現在進行系のあらゆる不平等な社会問題はトランス状態の男によって断片化され、全てのフィルターを通り抜けてやってくるだろう。

 

– Jason Waite (「Don’t Follow the Wind」共同キュレーター)

小鷹拓郎が最近制作した映画シリーズは、タイ深南部、および北部といった特定地域における徹底的な研究がなされている。タイ社会は昔から政治的な問題をひた隠しにしてきた。もし、あなたがそういったことに気がついているのならば、きっと彼の映画に隠された小さな断片的な物語を見つけ出すことができるはずだ。それらはきっと「タイ-ネス」の真実を明らかにするだろう。

 

– Penwadee Nophaket Manont (キュレーター、第55回ヴェネツィアビエンナーレ・タイパビリオン 共同キュレーター、RAI.D COLLECTIVE 、Southeast Asia Fiction Film Lab)

小鷹拓郎のドキュメンタリー映画の中では、現実的な日常と、宇宙空間からもたらされた非現実的な超常現象が交差する。現代のタイ社会が抱える闇を、鋭い視点と皮肉で見事に解体してゆく。

 

– Lauren Reid (キュレーター、Project Space Festival Berlin 共同創設者、Insitu Collective 共同ディレクター)

シンプルで愉快、それでいて啓蒙的。彼の作品「Man from a Distant Planet」は偏見や先入観を抱くことの危険性をテーマに、寛大な心で制作された宇宙映画だ!

 

– Muhammad Arafat Bin Mohamad (キュレーター)

“あなたが他人に見えているものは、あなたの中に存在する”

私は小鷹拓郎の映画を見たとき、この曖昧な瞬間を思い出す。彼が制作した映画「Man from a Distant Planet」は、タイのイスラム教徒が多く住むタイ深南部で制作されたものだ。タイのイスラム教徒が持つアイデンティティは、一般の仏教徒であるタイ人と比べて未だに多くの問題をはらんでいる。タイではこういった政治問題は日常的に潜在化しており、人々もまた、それが当たり前のものとして日常を過ごす。彼はそういった構造を視覚し、映画監督という立場から地元の人たちに問題を問いている。

 

– Samak Kosem (アーティスト、社会人類学者)